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阪神 5―4 広島 (4月8日) | |||||||
連載目次 |
勝ちたい意欲“負”に出た水差すタラスコ、田中のけん制死開幕から2勝4敗後の試合というのは、非常に大切な1戦だ。勝てば3勝4敗と勝率5割が目の前にチラつく。負ければ当然2勝5敗となって、ペナントレースから取り残される寂しさが色濃く漂ってしまう。 そんな思いは、実際にグラウンドで戦っている者にとっても同様なのだろう。阪神は序盤から気合のこもった攻撃を繰り広げた。2回は大豊。紀藤の134キロの直球を右翼席最上段へ放り込んで(通算250号本塁打で1つ目の花束)先制に成功する。3回に同点に追いつかれた後の4回は、今季初めてスキのない滑らかな攻めができた。 1死から新庄四球。大豊が右前打(今度は通算1000安打で2つ目の花束を贈られるハナバナしさ!)でつなぎ、矢野四球、平尾がセンター右へしぶとく2点適時打した。さらに2死二、三塁にしてから、ハンセルが遊撃前に内野安打、二走平尾が広島内野陣のふと立ち止まるような緩慢な動きをついて、一挙に生還してこの回4点をもぎ取ったのだ。 ところが攻撃で良かったのは、ここまでだった。5回1死、四球で出塁したタラスコが1日の横浜戦に続いて今季2度目のけん制死をしてから、試合の流れが激変した。阪神では前日も坪井がけん制で刺されており、2日連続のぶざまさ。仕上げに9回にも2死一塁、田中が左腕のけん制に誘い出されてアウトになった。田中はヤマカンでスタートを切ろうとしたためだったが、タラスコの場合は、打者新庄がカウント1―2になった後、なぜかのどかな風情でブラブラ塁を出て行った途端にけん制球が飛んで来た。 「なんでヒザを伸ばした状態になるのか。ランナーはもっと常に体を沈めた体勢にしないと」と記者席で広瀬叔功さん。かつての盗塁王は、全盛期を過ぎたころからけん制に刺されないための訓練に明け暮れたという。「若いころなら体が自然に動いた。しかし反応が鈍くなってからはリードをとる時、両ヒザを常に曲げた状態に保ち、スタートを切るヒザの動きを利用して帰塁する方法を見つけた。静から動でなく、動から動を心掛けないと」。 1点差まで追い上げられながら、何とか逃げ切って大きな勝ち星をつかむことはできた。勝ちたい意欲が正にも負にも出た複雑な試合…。後味はサッパリしなくても、ペナントレースから落ちこぼれる危機は無事に回避した。 (編集委員)
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2000年4月9日付紙面掲載 | |||||||
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