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阪神5―3ヤクルト (4月6日) | |||||||
連載目次 |
陰のMVP…矢野の好リード古田をしのいだ大胆さ勝ち星に飢餓感の強い(言葉を換えればあまり勝ち慣れていない)チームらしい光景が4―1の7回に繰り広げられた。2死満塁で打者古田。3番手の葛西は2―3からの6球目、思い切り投げると勢い余ってマウンドでひっくり返る(打球はファウル)。続く球でセンター後方のフライに仕留めたのだが、何と今度は捕球した新庄が転倒。いささかドタバタ気味の終盤ではあったものの、阪神は無事に逃げ切って連勝を飾った。 ハマの大魔神佐々木が、シアトルの大魔神になって、今季のセ・リーグで抑えが完全に確立されているのは、このヤクルトだけだ。昨年も31SPで最優秀救援投手に輝いた高津を出さない展開をいかにして作るか。阪神の勝ちパターンは先手必勝…と思っていたら、初回いきなり新庄の2ランが飛び出した。143キロの内角低めをライナーでたたき込んだ一発。この難しいはずのコースには、実は新庄は1番スムーズにバットが出て行く。 もっとも古田の勘を狂わせたのは、第2打席だったろうか。3回2死で回ってくる。古田とすれば、前の打席で直球を打った新庄に対してウラをかくつもりで、初球に146キロの速球を投げ込ませたら、これを軽々と左中間二塁打。次の大豊に0―2になると安直に直球でストライクを取りに行き、これを左翼席へ放り込まれた。古田らしくない淡泊な配球のお陰で、阪神は極めて大きな4点を序盤で奪った。意外性の男・新庄の殊勲といったところだろうか。 こんな古田の乱れがベンチにまで及んだのか、ヤクルトは阪神を攻め立てながら、ホームが踏めない。無死一塁で1―2になると、決まってエンドランを仕掛ける(2、7回)ワンパターンの攻撃。さらに9回にはまるで広沢を男にしてくれるための用兵のように、山本を投入してきて、高価な追加点を恵んでくれた。お陰で土壇場のペタジーニの2ランも何だか焼け石に水の感じになった。 本塁打だけで5点を取った試合で、バント失敗などミスも散らばってはいた。しかし度重なるピンチをしのいだ阪神の守りは立派な勝因。特に矢野の好リード。緩い変化球を多めに使い、時には大胆に内角も突かせた。藪をはじめ5人の投手が出た試合だったが、スキのない配球は大きな武器であった。矢野が古田をしのぎ、阪神がヤクルトを2試合続けてグビッと飲み干した。 (編集委員)
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2000年4月7日付紙面掲載 | |||||||
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