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阪神2―0ヤクルト (4月4日) | |||||||
連載目次 |
福原起用ズバリ!優れた学習能力で見事ヤ斬り三塁側ベンチからメガホンを通した野太い声が、記者席にまで聞こえて来た。「大丈夫、やれ、やれ!」。7回1死一塁で、打席の福原にまさに投球が来る時だ。相手のバント守備態勢を見ながら、野村監督が怒鳴っている。それほど極端には前進してこない、バントをやれ、と。 たった1つの白星に、阪神はナインもベンチで血眼だった。横浜に3連敗で始まった2000年のペナントレース。ヤクルトにも敗れて4連敗になると、ドロ沼はいよいよ深まってしまう。どうしても負けられない戦い…。野村監督が自らメガホンを取って怒鳴る光景に、この試合の意味がうかがわれた。 紛れもないヒーローは、先発した福原だ。8回1死まで、最速147キロの直球を武器にヤクルト打線を0点に抑え込んだ。この一戦に、過去の実績などは無視して、藪でなく福原を起用したベンチの決断が功を奏した。度胸の遠山でつないで、最後は151キロを投げ込む抑えのミラーで逃げ切り。阪神の必勝パターンが、ようやく花開いた。 ところで福原の交代機。2―0で8回、先頭宮本に中前打される。代打本郷を左飛に仕留めたところで、真中を迎えて遠山に代えたのだが、この判断も鮮やかだった。初回真中への第1球は143キロ、この8回の宮本への1球目も同じ速さだった。球威は衰えてはいない。しかし、宮本への1、2球目はいずれも高めに外れている。明らかに球の抑えが効かなくなっている“危険信号”を、目ざとくチェックして、直後の交代になったのだ。 それにしても、2年目の福原は学習能力にも優れた投手ではないか。昨季4打数3安打と打ち込まれた真中には、制球がもっとも安定する直球をコーナーに投げ分け3の0に。2回ペタジーニに自慢の速球を左中間に二塁打されると、以後は直球を見せ球に、変化球勝負をしてその強打を封じ込めた。矢野の好リードと相まって2年目の右腕はマウンドで光り輝いていた。 2度の盗塁失敗があったし、チャンスにあと1本が出ないもどかしさは、依然解消されたわけではない。しかし、初回には坪井、タラスコで先制したし、大豊の値打ちのある一発も飛び出した。数少ない得点を投手陣が守り切る。大事な局面で、阪神の野球はできた。2000年は今始まった…ということにしておこう。 (編集委員)
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2000年4月5日付紙面掲載 | |||||||
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